大人の「バスケがしたいです」を少しだけ叶えた話
SLAM DUNK の映画を観て、バスケがしたくなった大人たち(主に30代以上)へ向けて書きます。(要チェックや)
私の「THE FIRST」バスケットボール
私は中学3年間バスケ部に所属し、練習はまぁ真面目に参加しつつも、一度も花咲くことない補欠部員を謳歌した経験があります。
中学入学時点の身長が140cmちょうどくらいのスーパーチビ。中3で160cm台に届いていたかな?くらいの成長スピードで、筋肉質ではなくヒョロい体格でした(今もそうですが)。そういったフィジカル面・体力面の弱さを克服するほどの練習をしていなかったことが、大人になった今はよく理解できるわけですが、当時はみんなと同じ練習量で上手くなれるものだと勘違いし、深く考えずに部活動をただ続けていたものでした。たしか当時のモチベーションは、「バスケが上手くなりたい」が半分、もう半分は「背が伸びそう」でした。
思い返せば、知識も努力もへったくれもなかった残念な成長期。あれから20年以上の時が過ぎ、私は中年のおじさんになり、世は「コロナ禍」という前代未聞のパンデミック状態になりました。
ステイホームステイホームと叫ばれる中、学校の授業はリモート、部活動や大会も停止、修学旅行も消滅、といったように学生生活が破綻していく情報を目にしては、自分の学生時代が当たり前のようでいて実は恵まれていた環境であったことを愛しむ気持ちでおりました。
そんなセンチメンタルな想いがアルゴリズムを動かしてしまったのでしょうか。
私のインスタグラムのタイムラインには、NBAのスーパープレイの映像や、プロバスケコーチによる指導動画などの投稿が、日々舞い込むようになりました。
あぁ、あの頃はこういう情報が少なかったな。
特に自分で調べるようなこともしなかったかな。
もっとこういう感じで練習すれば上手くなれただろうな。
20年以上も昔の自分に対する淡い後悔の念は、いつしかトラウマのようになり、中年のおじさんの頭の奥底に付きまとうようになりました。
中年おじさん、バスケットボールを買う。
トラウマを克服するってどいうこと?今更バスケを始めるってこと?
もちろん、今更バスケを練習する時間も体力も爽やかさも、中年のおじさんは持ち合わせていません。
ただ本当の気持ちとしては、もう一度「バスケがしたいです…」という彼の名言がグルグルと頭の中をエコーしまくるわけです。
どれくらいの時間をその葛藤に費やしたのかは記憶が曖昧ですが、煮え切らない思いを少しでも払拭できるかもしれない希望と、コロナ禍の軽い運動不足解消も兼ねて、試しにバスケットボールを購入したのが今から約1年半前のことでした。
ひっさしぶりに手にした新品のバスケットボールの感触は懐かしく、このまま部屋に飾っておきたくなるような気持ちになりました。
さすがにそれではボールも可哀想ということで、部屋の中でボール回し(フンフンフンフンのやつ)をしたり、近所迷惑にならぬよう床にボールを突かない程度にハンドリングやフェイントのモノマネをしてみたり、シュートっぽいものを天井に突かないくらいの力加減で宙に放ってみたりするわけですが、それはまるで「ウィズコロナ」ならぬ「ウィズバスケットボール新生活様式」。
「バスケットボールが部屋の中に存在する」という、ちょっとした日常の変化がとても楽しく、そのトラウマは忘れさられつつありました。
しかし、なかなか終わりの見えないコロナ禍。
どことなく閉塞感が漂う毎日の中で見い出したこの「新生活様式」を約1年ほど続けて生まれた思い。
それは、
「今なら自分の姿を簡単にスマホで撮って確認できる環境もあるし、効率よく練習するための動画コンテンツもたくさんもある。爽やかさは取り戻せずとも、練習環境と時間と体力さえあれば絶対昔よりも上手くなれる自信がある。とかそういうのはおいといて、“(外で)バスケがしたいです”」
でした。
そんなふうに、沸々、いや、メラメラと過去の自分への闘志を再燃させていた矢先のことでした。
映画「THE FIRST SLAM DUNK」の公開であっちもこっちも盛り上がってやがる世の中が到来します。
映画「THE FIRST SLAM DUNK」を一度も観ずして火がついた男
映画公開を境に、インスタグラムのストーリーは「SLAM DUNKの映画観たぜ」投稿で溢れていました。
いつも観ていたバスケ関連の動画投稿も、映画の使用曲をBGMにしたものが増えました。
「第ゼロ感?? なんだそれは。君が好きだと叫びたいやろがい!おれはにわかじゃねぇ。20年以上も前から沸々と温めてきたもんがあるんや。」
そんな中2病的反骨心が湧き上がるのと同時に、その場にいたたまれなくなった私は遂にスマホを手に取り、中年おじさんでも使えそうなバスケットゴールのある場所を近所に探しました。
近所の公園、体育館的な施設、開放している中学校、ストリートっぽいコート…etc
「……ふぅ。。ぜんぜんねぇ…(小一時間のネットサーフィン)」
ただここで「諦めたら試合終了」。
いやそんな今となっては使い古され過ぎた安西先生のアドバイスなんぞ20年以上前から知ってるわい!と自らを鼓舞し(根も葉もない)、リバウンドを制する精神で粘り強く検索エリアを広げた結果、なんとも隠れ家的なバスケットボールコートを自宅からまぁまぁ近いところに発見することができたのでした。(バスケの神様見ていてくれてる!!)
その翌週から、子供を保育園に送って、仕事が始まるまでの小1時間ほどだけ。コートで汗を流す、13歳と〜ヶ月(3桁)の青年が蘇りました。
儚き想い、このTragedy Night。
現実は小説よりもなんちゃらといいますが、コートに1週間ほどほぼ毎日通い、場の雰囲気や利用者とのコミュニケーションのノリ、床の硬さとドリブル時のボールの跳ね返り具合、久しぶりに対峙するゴールの高さ(思ってたよりたけぇ)など、諸々の感覚が徐々に掴めてきた頃、さっそく甘くない現実が襲いかかりました。
子供が謎の熱を出し、約1週間、自宅でのマンツーマン看病が始まります。
調べによると、保育園に行き始めたら月1~2の頻度で病気にかかるらしいです。(なんやねんそれ!)
そして、子供の症状が少し治ってきた頃には、私も見事に発症。子供の風邪はよくうつるとは聞いていましたがマンツーマンを貫いた結果、本当にうつりました。(なんやねんそれ!)
自分の健康が崩れながらも、誰かを看病しなければならない。そして仕事もしなければならない。
まさに、やつれきった心までも壊す生活がトータル2週間ほど続きました。
その後やっとの思いでピークを乗り越え、親子共々通常の健康な暮らしを取り戻すことができたと思った頃・・・梅雨入りしました。
私が見つけたコートは野外なので、出会った日から今でもずっとあなただけ見つめていようとも、水に滑らない手と水を弾く眼球を持ち合わせていない限り、雨の日のプレイは諦めざるを得ません。
「あぁ、俺のバスケ人生もついにここまでか・・・」(儚き想い)
病み上がりの頭痛に苛まれつつ、ネガティヴ思考がまとわりつくこのTragedy Night。
惰性的日課となったインスタグラム投稿散策をしていたところに、ある広告が飛び込んできました。
夢のHigh Tension!!
その日は、楽天スーパーセール真っ只中の日でした。各社が張り切って広告出稿をしていたのでしょう。
私の元にもその熱意はしっかりと届きました。私に出てきた広告の商品はこちらでした。
「あ〜!こういうの家にあると子供もいずれ遊べるし絶対楽しい!」と直感的に思いました。
おそらく、私の場合はボールの大きさを問わず、「スパっ!!」っとゴールする感覚が毎日手軽に得られるだけでも、約1年半に及ぶウィズバスケットボール新生活様式の鬱憤、および、昨今抱いていた儚き想いTragedy Nightの6~7割は報われるような気がしていたのです。
しかし、よくよく見ると、こちらの商品のお値段は7千円代。「え?どうみてもプラスチックなのに高くね??」と思ったので、
「壁に穴をあけずに取り付けられるバスケットゴール」が他にないか探したところ、インテリア的にも邪魔しなさそうな色使いの下記商品が見つかり、即購入してみました。
※上記ボタンだと検索画面に飛ぶと思いますので補足。
実際に購入したのはAmazonで「ブランド:SIDRYA」というところの商品です。
商品ページはこちら
「第ゼロ感」を信じて買ってみた結果
まずはすみません、私は映画を観ていないので「第ゼロ感」の意味を理解していないわけですが、言葉から受けるインスピレーションのみで見出しをつけさせていただきましたことを深くお詫びいたします。(映画の方は子育てが落ち着いた頃に観たいと思います)
以下に、今回購入した子供用バスケットボールリングの所感をまとめさせていただきます。
買ってよかったポイント
- 付属の粘着フックは、壁紙の上にマスキングテープを貼って(壁紙剥がれ対策)、その上に装着しても世界が終わるまでは離れることもなさそう
- ボールは2個、空気入れもついていて即プレイ可能
- リングは金属製かつバネ付きでちょっと本格的(ダンクもできるらしいがやらない)
- リング、ネット、板のフレームの色は白黒の無彩色で、ダサいロゴなども入っていない
- 網が深く作られているので、スパっ!!シュパっ!!感がしっかり得られる
- 寝室の壁に装着しても、寝る時は外せるので安心
とりわけ、1点目の「壁紙→マスキングテープ→粘着フック」という構造でセットできることが、壁に穴をあけずにプレイできるか否かを左右する最重要ポイントなわけですが、数百シュート打った結論として、全く問題ない粘着力であると見受けました。
このような壁に取り付けるタイプの子供用バスケットボールゴールは海外製のものが多く、Amazon、楽天ともにOEM商品が雑多に値付けされており、値段も質感もバラバラな印象です。
全体として口コミも少なく、商品クオリティーがイマイチわからないものばかりで、人柱になる覚悟で今回購入してみたわけですが、上記商品は「壁紙装着&ドア掛け対応」となっており、「確実な装着」という点においては満足いくものでした。
またあまり期待はしていなかった「見た目」についても、モノトーンのカラーリングは大の大人にも安心しておすすめできる感じで、高い機能性と見た目の良さを両立させている数少ない商品ではないかと思った次第です。(似たようなものがたくさんあるのでご購入時はお気をつけください)
なお、ボード含む全体の大きさは幅が約40cm程度、肩幅くらいの幅だと考えればよいかと思います。
「バスケットボールがしたいです」を”少しだけ”叶えた中年おじさんより。
以上、ここまで本記事を読み進めていただいた方には、アフィリエイトかよ!外でバスケがしたいんじゃなかったんかよ!と裏切られた思いになられた方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、20年以上越しの後悔を晴らすため動き出した私が胸を張って言えることは、バスケが好きな方、映画SLAM DUNKのにわかファンではない方なら、自宅にこの小さいリングがある生活とない生活では、「ある生活」の方がQOLが爆上がりすることに違いない、ということです。
もちろん、一番の理想は自由に使えるバスケットコートが身近な場所にあることですが、この狭い島国&和の国JAPANにはなかなかアメリカンな文化であるバスケコートは少ないですし、あったとしてもいい歳の大人だと様々な事情で継続して通うことが難しかったりするわけです。(そういう意味でも、学生生活はとても貴重だったんだなと改めて思います。)
「バスケがしたいです」という素敵なモチベーションを抱きつつも、年齢的になかなか踏み出せない方は、私以外にもたくさん居られるかと思います。特に、映画版SLAM DUNKの公開によって火がついた30~40代の方は多いのではないでしょうか。そんな方の参考になればと思い筆を取った次第です。
皆様の楽しいウィズバスケットボール新生活様式が始まることをささやかに祈っております。